台座灸購入者からの依頼
「購入したお灸(きゅう)を自宅で使用したところ、腕にやけどを負った。商品に問題がないか調べてほしい。」という依頼があり、その商品のテスト結果が独立行政法人 国民生活センターから発表されました(詳細は下記リンクを参照)
概略を説明しますと、質問者が購入した台座灸使用時、鋭い痛みとともにひどい熱を感じ、急いで剥がそうとしたが、台座の裏に皮膚が張り付いてしまい、皮膚が厚く剥がれてしまった。後日、皮膚科を受診し、3度に近いやけど(※)と診断されたとのことです。
※3度熱傷‥表皮から皮下組織まで皮膚全層の損傷。
今回のテストでは当該品の4個を板に貼り付けて燃焼させ、台座のすぐ下の板の温度を計測したところ、4個の平均の最高温度は55.4℃。また、参考品として、当該品と同様の台座灸3銘柄についても計測したところ、それぞれ4個の平均の最高温度は42.8~45.2℃で、当該品のほうが10~13℃高くなっていたとのことです。
上記の結果から、当該品はただちにやけどを負う温度ではなかったものの、参考品と比較すると燃焼中の温度が高く、数分で低温やけどを負うといわれている50℃を超えていたことが判明しました(グラフ参照)
個人的な見解
いくら間接灸とはいえ火を使っている以上やけどのリスクは0ではありません。粘着が弱くて倒れてしまう可能性等も十分考えられます。
詳細なテスト結果のリンク先のグラフを見てもらえば分かりますが、温かさを感じるであろう温度(30~40°)に達するまで1.5~2分程度。最高温度に達するまで2.5~3.5分程度はかかっています。
今回取り上げられた商品に関しても調熱絆がついており、使用者が温度調整をすることは可能でした。
近年、お灸教室のようなものがあちこちで開催されたり、一般の方が手軽にご家庭で温灸が出来るような商品も増えていますが、それに伴い悪徳な業者や粗悪な商品に出会う機会も一定割合生じてきていると思います。
お灸教室であれば主催者の保有資格や免許を取得してからの期間、過去の職歴や学歴等をWebで検索して信用できる人間かどうか確認して下さい。
商品も同様にWebでの検索と使用上の注意書きの確認。初めて使用する商品に関しては必ずテストをしてから使用するようにして下さい。
無料や価格の安さのつられて不快な思いや余計な時間を使ってしまっては本末転倒です。事前の下調べで防げることは多々ありますので十分ご注意なさって下さい。
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