選択肢と意思決定の関連性や効果に関して、グラフィック・デザイナーを被験者としたある実験が行われた。
この実験では某ウェブ雑誌のバナー広告の制作をグラフィック・デザイナー達に依頼した。その際、グラフィック・デザイナー達にはランダムに2通りの制作過程を行ってもらった。
①一度に1つずつ広告のデザインを行い、その度に依頼主からの要望や感想等のフィードバックを受け取る。合計で5回の要望や感想等を受け取り、最終的に合計6つのバナー広告を制作する。
②最初に3つの広告を制作する。3つそれぞれに要望や感想等のフィードバックを受けた上で、次に2つの広告を制作する。またそれぞれにフィードバックを受けた上で、最終的に1つのバナー広告を制作する。
①と②どちらの制作過程でも最終的に作ったバナー広告の数は6つ。受けたフィードバックの数は5つで変わらない。唯一違うのは制作過程で並行作業を行ったかどうか。
そして、出来あがったバナー広告を雑誌の編集者や広告の専門家に見てもらったところ②の制作過程で出来たバナー広告の方が評価が高く、実際のウェブサイト上でのテストでもクリックスルー率が高かった。
②の制作過程で出来たバナー広告の方が出来が良かった理由は以下のように考えられる。
・並行作業によって、フィードバックも複数同時に受けることとなった。そのため、評価を並べて分析することが出来た。
・並行作業と複数のフィードバックが同時のおかげで、良い要素を組み合わせて悪い要素を削ることが出来た。
また並行作業は、制作者にとってもメリットがあることも分かった。
その2へ続く
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