2010年、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学の研究者が、共同である実験を行った。
その実験は被験者にある物語を聞いてもらい、その中の登場人物を倫理的に評価してもらうというものだった。物語の登場人物は故意もしくは偶然に他人に危害を加えたり、加えようとするのだが、被験者から見て登場人物は倫理的にどの程度悪いと思うかを回答してもらった。
【物語A】
A君が友人のB君にコーヒーを入れて、その中に砂糖を入れて出した。
ただし、本人は知らないがその砂糖は本当は『毒』で、コーヒーを飲んだB君は死んでしまう。
【物語B】
C君が友人のD君にコーヒーを入れる時に、『毒』と書かれたラベルの貼られた白い粉の入った容器を目にする。そしてその粉をコーヒーの中に入れるが、実はその粉はただの砂糖でD君に害はない。
・殺意はなかったが、殺してしまったA君
・殺意はあったが、結果として殺さなかったC君
結果として被験者が『倫理的に』悪いと感じたのはC君の方が多かった。
ただ法的に罰を受けるか受けないかはまた別の問題だ。そうでなければ、知らなければ薬物の密輸に手を貸したり、殺人を犯しても罪が軽いとなれば犯罪グループ等に利用されてしまう恐れがある(国によっては薬物の密輸や所持は重罪)
この実験からは人は倫理的な判断をする場合、結果だけでなく行動の意図や動機を基に考える傾向があるということを知って頂きたい。
その26へ続く
前 その24
コメントをお書きください