人の脳の未来予測 その19

 2011年に心理学者のアイリス・モースが発表した研究結果によると、幸福を重視する人ほど現在の自分を幸福だとは感じていないという傾向がある。

 

 

 モースの研究によると、幸福を重視する態度は、特にその人が大きなストレスを感じていない時によくない影響を及ぼすという。ストレスが少ないのは幸せなことのはずなのに、大きな幸福を求めるあまり、その状況を幸福とは感じられなくなってしまう。

 

 また、モースは幸福に関して新聞と映画を使った実験も行っている。

 その実験では、まず幸福であることが人間にとっていかに重要であるかということが書かれた記事が載った偽物の新聞を被験者に読ませた。記事を読ませたのは、被験者の価値観を操作するためで、幸福を重視する態度を強めさせる狙いがあった。


 そして、記事を読み終えた被験者に2本の映画のうちいずれかを見てもらった。一方は明るい内容のもので、不利な状況を克服して金メダルを獲得するフィギュアスケーターの物語。もう一方は、突然妻を亡くし、その悲しみを耐え忍ぶ夫の悲劇的な物語であった。

 

 映画を見た後には、被験者自身の今の幸福感を測定する試験を受けてもらった。その結果、悲しい内容の映画を見た被験者の幸福感は映画を観る前とあまり変わらなかった。反対に明るい内容の映画を見た被験者の幸福感は映画を見る前より幸福感が下がる傾向があった。特に幸福を重視する度合いの強い人は、よりその傾向が顕著だった。

 

 

 悲しい内容の映画を見れば、落ち込んで幸福感は下がり、明るい内容の映画を見れば楽しくなって幸福感が増すと単純に考えてしまいそうだが、人の脳はそれほど簡単なものではないようだ。

 

 

その20に続く

 

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