欲しいものを手に入れて幸福を感じても、すぐに慣れて幸福感は薄れる（少し話は違うが、限界効用逓減の法則などは有名な理論）それでは、「手に入れたいけど、邪魔されて手に入らない」ということが途中にあった場合、幸福感は減るのか、それとも増えるのか。それを確かめる実験が2009年に行われた。

　この実験では、被験者を２つのグループに分けて両方に同じコメディドラマを見てもらった。一方のグループには途中で何度もコマーシャルが入る編集で見てもらい、もう一方のグループには全くコマーシャルが入らないノーカットのものを見てもらった。

　実験前には関わった研究者の大半がノーカットのものの方が楽しんで見られるだろうと予測していたが、結果、事前に研究者が予測していたのとは逆でコマーシャルが入ったものを見たグループの方がドラマを楽しんで高い評価をした。

　他にも同様の実験が行われたが、同じような結果が出ている。

　その実験では、音楽を聴いている時やマッサージをしてもらっている時などに、突然、不快な騒音を流して邪魔をした。対象群を邪魔を入れないグループと邪魔を入れるグループに分けて検証した結果、退屈さ・苛立ち・辛さが多すぎない程度であれば、邪魔を入れられた方がむしろ幸福感が増すことが分かった。

その15へ続く

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