前回のスムージーの実験のように実際に代謝や消化に影響を与えるようなプラシーボの実験は他にも行われている。
ある実験では「カロリー量を伝えた上で」チョコレートミルクシェイクを飲んでもらった。
この実験では、チョコレートミルクシェイクを飲む前に伝えるカロリー量を人によって変えた。ある人には380キロカロリー、他の人には620キロカロリーや140キロカロリーと差をつけて伝えた。そしてシェイクを飲む前後に、採血を行いグレリン(※)の血中濃度の変化をみた。
※胃から分必されるペプチドホルモンの一種。脳に「空腹」を伝え、食欲を増進させる。
その結果、全員が同じものを飲んだにもかかわらず、摂取カロリーが多いと思って飲んだ人の血中グレリン濃度は急激に下がり、摂取カロリーが低いと思って飲んだ人の血中グレリン濃度はほとんど変化がなかった。
一方こういった思い込みが悪い方に作用する場合があり、そういった時は注意が必要だ。たとえば、ダイエットをしていて「自分はダイエットをしている」と思い、カロリーや脂肪などが少ない食品を食べていると信じ込むと空腹を感じやすくなる。その結果、食欲が満たされず悪循環に陥ってしまう。
その13に続く
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