期待とプレッシャー
スター選手に対するファンの「期待」は総じて高いものだ。「決めて当たり前」「活躍して当たり前」という無言のプレッシャーがその選手達にはかかる。その「期待」とPKの成功率に関してもジョルデは分析・研究を行った。
まずジョルテは過去30年間の国際試合で重要なPKを蹴ったことのある選手を3つのランクに分けた。
①PKの時点ですでに最高の地位にあった選手
※FIFAの最優秀選手賞を獲得した経験のあった選手などがこれに該当
②後に最高の地位を得る選手
※PKの時点ではなく、その後に①と同等の賞を取った選手が該当
③最高の地位にはいない選手
※PKの前にも後にも①と同等の賞を取らなかった選手が該当
それぞれにランク分けされた選手のPKの成功率は、
①65% ②89% ③74%
であった。さらに①の選手はゴールを完全に外してしまう確率も高かった。
1994年のW杯アメリカ大会決勝のイタリア代表のロベルト・バッジョ選手のPK失敗などは非常に印象的だ。
上記ランク分けには該当しないが、記憶に新しい2015年アジアカップ決勝トーナメントでPKを失敗したのは本田選手と香川選手。2人とも日本代表のスター選手だ。
一般的に高い技術や経験を持つ選手ほど成功率は高いはずだと思われる。しかしそれは肉体面だけを見た見解であって、精神的な要素を加味すると必ずしもそうとはならない。
それは個人だけでなくチームとしてもその傾向にある。
その3に続く
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