スキルの習得方法
ハードスキルを身につける
スキルを修得する前の神経回路の状態は、例えるなら足跡ひとつ付いていないゲレンデのようなものです。
神経学者が「雪山のそり」と呼ぶように、スキル修得の初期段階で形成される神経回路は、新雪に残る「そりの跡」ように形作られます。そしてその後の繰り返しでは、そりはそれまでの形跡にしたがう傾向があるそうです。
「脳は形跡を残すのが得意だ」とUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の神経学者ジョージ・バートゾキス博士は言います。
しかし一方で「形跡を消すのはそんなに得意ではない」とも言っています。
つまりスキル修得初期段階で正しい神経回路を作ることの重要性。そしてそれを実践することによって多くの時間と労力を省くことが出来るということを示唆しています。
退屈に感じるかもしれませんが、スキル修得初期段階では「単純な動作の繰り返し」「ミスの発見と修正」を注意深く、ゆっくり丁寧に行うことがその後の上達に繋がっていきます。
ソフトスキルを身につける
ハードスキルが正確さをもとに身につけられるのに対し、ソフトスキルはたえず変化する厳しい環境の中で磨かれ身につけるものです。
またソフトスキルはハードスキルより練習するのが楽しい傾向にありますが、自分自身で客観的な評価(どこがよくてどこがよくないか。そしてその理由は何か?)をしなければならず、そういった点では難しくもあります。
ソフトスキルを修得する際に重要なのは、練習時の「変化に富んだ繰り返し」。そして「明確なフィードバック」の2点。ハードスキルと違ってミスに関してはそれほど気にする必要はありません。むしろミスを恐れず未体験のものを積極的に行う姿勢が求められます。
「単純と変化」「ミスに対しての姿勢」がハードスキルとソフトスキルで大きく異なるということをプレイヤー自身、もしくは指導する立場にある人間が理解出来ているか。その点も効果的なスキルアップには必要なことでしょう。
その6に続く
前回分は下記より
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