富山大学大学院医学薬学研究部免疫学の村口篤教授と岸裕幸准教授、金沢大学医薬保健研究域医学系の金子周一教授、金沢大学附属病院消化器内科の水腰英四郎講師らによる研究グループが人の血液中で、がんやウイルスに感染した細胞を 特別なセンサーで見つけて殺す「キラーT細胞」から、センサー機能を備える遺伝子を短期間で大量に取得できるシステムを世界で初めて開発したと発表しました。
従来の方法では、血液中から取り出したキラーT細胞を培養し、クローン細胞を作り出すことが必要で、遺伝子を取り出すのに3ケ月の時間がかかっていました。
今回のシステムでは、村口教授らの研究グループはがんを見分けるキラーT細胞をひとつ取り出してセンサーの遺伝子を抽出し、センサーがないT細胞に組み込むことで、がんだけを狙うキラーT細胞のクローンを10日間で作ることに成功しました。
患者自身の細胞を治療に使うため副作用はなく、末期のがん患者への迅速 な治療にも役立つ可能性があるということです。ただし、作ったキラーT細胞を実際に患者の体に戻した時に悪影響が出ないかどうかなど臨床で実現するには課題が残っており、今後、臨床研究を経て、システムの実用化を目指すことになります。
臨床研究に何年かかるか分かりませんが、またひとつ有望な治療方法が発見されましたね。「がんでは死なない」なんて時代もくるのでしょうか。
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