発痛部位と疼痛部位に関して

 一般的に、体のどこかに痛みがあるとその”痛みを感じる場所”(疼痛部位)が”痛みの原因の場所”(発痛部位)と考えてしまいがちです。

 

 ですが、骨格筋や骨膜を電気刺激や高張食塩水などを注射することによって人工的に痛みを引き起す実験では、50~67%程度の確率で電気刺激や注射をした部位とは違う場所に痛みが発生します。

 

 つまり皆さんが痛いと感じる場所が痛みの原因である確率は最大でも50%程度しかなく、逆に痛みの原因は別の場所にあるほうが最大67%程度もあるのです。

 

 また痛みの原因の場所は一カ所とは限りません長期に渡り痛みを抱えておられる方は、痛みの原因となる箇所が複数に渡っている場合が多々あります。

 

 慢性的な痛みを抱えておられる方であらゆる治療をしてもなかなか治らなかったり、短期間ですぐ痛みが再発するような方は、このような視点で治療が出来る場所を探してみると改善が望めるかもしれません。

 

この記述は”運動器”に限ったものです。他の器質的な異常によって引き起される関連痛とは一致しません。ご理解下さい。

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