いわゆる貼り薬の「湿布(しっぷ)」には、パップ剤とテープ剤の2種類があります。見た目にはパップ剤が白く厚い。テープ剤は肌色で薄いものがほとんどのようです。
根本的に違うのは基材です。
※基材…基剤とは主にその形状をつくっているもので、薬剤(有効成分)ではない成分のことをいいます。液体の薬であれば基剤は水(精製水や滅菌精製水など)、軟膏であればワセリンなどを指します。
パップ剤は水溶性の基材に薬剤を塗布しており、テープ剤は脂溶性の基材に薬剤を塗布しています。
テープ剤には粘着剤が含まれており剥がれにくいが肌荒れをおこしやすい。パップ剤は水分を多く含んでいるため肌には優しいが剥がれやすい傾向があります。
テープ剤は粘着力が高く、よく動かす可動部に貼付するのに適しているが、その粘着力がゆえに貼付しづらいという難点があります。手先が不器用な高齢者では「くっついてクチャクチャになってしまい、うまく貼れない」という人が少なくありません。
また、テープ剤は、皮膚が弱い人は、はがす際に皮膚を傷つけてしまうことがあります。無理にはがそうとせずに、お風呂に入ったときに、お湯をかけながら、端から少しずつはがしていくなど工夫するといいでしょう。
逆にパップ剤は、はがれやすいという不満が出やすい。そうした場合は、ハサミで切り込みを入れ、体にフィットさせてはがれにくくする方法や洋服などにひっかかりやすい四隅を、丸く切っておくのも“はがれ防止”に有効でしょう。
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